犬などの動物だけでなく、人間も縄張りのようなものを持っています。
その自分の縄張りのことをパーソナルスペースといい、親しくない相手に接近されすぎると不快感や警戒感を抱きます。
また、パーソナルスペースは距離によって4つに分類され、カップルのようにとても親しい間柄であればお互いの距離が近くても全く問題ありません。
このパーソナルスペースをうまく利用すれば、気になる異性との恋愛距離を近づけたり、脈があるかないかの判断をしたりすることもできます。
パーソナルスペースの4つの分類
パーソナルスペースは距離によって、次の4つに分類することができます。
それぞれの個人差もありますが、およその距離は次の通りです。
- 公衆距離・・・3.5m〜
- 社会的距離・・・1.5m 〜 3.5m
- 個人的距離・・・0.5m 〜 1.5m
- 密接距離・・・〜0.5m
これらのパーソナルスペースは、さらに近接相と遠方相に分類ができます。
例えば、公衆距離の近接相は3.5mから7.0m、遠方相なら7.0m以上などのような感じです。
公衆距離は、大学の集団講義での教授と生徒との距離や、セミナーなどのスピーカーとリスナーの距離、社会的距離は仕事での打ち合わせを行う距離、個人的距離は友人と肩を並べて歩く距離、密接距離は恋人同士の距離と考えることができます。
人は理由なくパーソナルスペースに侵入されるのを嫌がる
恋愛心理学では、うまくパーソナルスペースを使うことで異性との距離を近づけることができるとされています。
ただし注意が必要なのは、通常は他人が自分の縄張りに理由なく入ってくることには不快感や警戒感を抱くものです。
また、恋愛心理学などで使われるパーソナルスペースは、密接距離や個人的距離などの自分の周辺を指していうことが多いです。
知らない人や親しくない相手であっても、数メートル離れた距離にいるのであれば気に止めないですよね。
これから親しくなりたい相手のパーソナルスペースに入る場合には、相手にしっかりとした理由を示すことが効果的です。
パーソナルスペースに入る理由をつくる
恋人同士であれば、顔がくっつくくらい近い距離にあっても嫌な感情はないかもしれません。
そこまで近づかない場合でも、1メートル以内、50センチメートル以内など自分の側に他人が入ることを嫌がる人も少なくありません。
これから親しくなっていきたいと思っているなら、徐々に距離を詰めていきたいですよね。
その場合には、パーソナルスペースに入る理由を見つけましょう。
相手が特に警戒するのは、特に理由なくパーソナルスペースに入る場合です。
だから、書類を渡す、落し物を手渡すなどの場合にはパーソナルスペースに入る理由がしっかりとあるため、不快感や警戒感を持つことは少ないのです。
ですが、わざとらしく肩のゴミを払うなどは、逆に警戒感を与える危険性があります。
少しずつ距離を近づけるのであれば、まずは個人的距離に入るのが良いでしょう。
簡単なのは、相手に対して挨拶をすることです。
顔を見て挨拶をするだけでも、異性に対して良い印象を与えることができます。
パーソナルスペースの形と広さは人によって違う?
パーソナルスペースの密接距離は50センチメートル以内程度ですが、実はこの範囲は正円になっているわけではありません。
人によってもパーソナルスペースの範囲は違いますが、形も違うのです。
性別による差もあると言われていますが、密接距離のパーソナルスペースは楕円形をしていると考えることができます。
この楕円は、自分の正面方向に伸びており、後ろ側に小さくなります。
同じ距離であっても面と向かって座る場合と、隣同士で座る場合とでは感じ方が違うのはこのためです。
日本人は欧米人よりもパーソナルスペースが狭い?
パーソナルスペースは個人差もありますが、国籍による違いにも傾向があります。
遺伝子レベルと考えるよりも、その国の文化による差と考える方が無難でしょう。
例えば、アメリカは握手の文化ですが、日本ではお辞儀の文化です。
ビジネス上のつながり、つまり社会的距離を保つ相手との挨拶は日本よりも近くなると考えられます。
一方で、日本では満員電車、電車を待っているとくの距離感などは欧米よりも近くなります。
単純に日本人のパーソナルスペースは狭い、広いということはできませんが、重要なのは相手とのギャップをなくすことです。
自分が適切と思っている距離感を相手が不快に感じるのであれば、それを察して距離を保った方が良い場合があります。
パーソナルスペースを利用して異性との距離を詰める方法
仲良くなる前から近づきすぎると、警戒感を持たれてしまうので徐々に距離を短くしていくのがポイントです。
1つは、相手のパーソナルスペースに入る時に理由をつけることです。
同じ学校、職場であれば何かしらの理由を見つけることは簡単でしょう。
複数回相手のパーソナルスペースに入ることで、徐々に相手は気を許していきます。
一方で、パーソナルスペースに入った際に相手から拒否反応があった場合には、脈なしと考えることもできます。
拒否反応とは、意識的、無意識関係なく距離をとる、話を切り上げようとするなどです。
反対に、むしろ近づいてくれるなどのプラスの反応があった場合には脈ありと捉えることもできます。
ただ、パーソナルスペースが小さい人、人との距離が近いのを気にしない人、気を使って笑顔を絶やさない人もいます。
あくまでも、1つの判断ポイントくらいに思っておくと良いでしょう。