あなたが今好きになっている異性は、本当に理想の相手ですか?
恋人であれば、
「一番ではないかな…」
「付き合い始めは、実はもっと好きな人が…」
なんて面と向かって相手に言うことはできないのですよね?
釣り合い(マッチング)仮説とは何?
人が誰を好きになるかには法則なんてないと思っているかもしれませんが、実は人は強く意識していなくても、同じレベルだと自分が考えている相手を恋人に選ぶ傾向があるのです。
無意識のうちに自分と釣り合っている相手に恋をするということですね。
これを釣り合い仮説、もしくはマッチング仮説と言います。
釣り合っているかは主観的な判断が基準になる
釣り合い仮説という名称ですが、この「釣り合っている」かどうかを判断するのは自分自身です。
客観的に見て釣り合っているかは関係なく、あくまでも自分と同じくらいかな、自分でも手が届くかなという主観が基準となります。
何を見て釣り合いを判断するかは人によって違いますが、影響が強いと考えられるのが「見た目」です。
見た目から高嶺の花だと感じてしまうと、本当は理想的な相手であっても知らぬ間に諦めてしまいます。
この釣り合い仮説は、マッチングアプリなどのネット婚活においても顕著にあわられます。
マッチングアプリでは見た目が悪い方がモテる?
アメリカのデーティングサイト(日本でいうマッチングアプリ、マッチングサイト)であるokcupid(オーケーキューピッド)において、興味深い調査結果が公開されています。
その調査によると、多くの人からかっこいい、可愛いと思われるような人気会員は受け取っているメッセージ数も多いことがわかりました。
見た目がよければ、異性からのメッセージ数も多いのはうなずけますよね。
ですが、異性会員からの評価が低い人も、それなりの数のメッセージを受信していたのです。
数学者であるハンナ・フライの著書『恋愛を数学する』によれば、これは無意識のうちに自分との釣り合いを考えて誰にメッセージを送るかを決めるからです。※
マッチングアプリでは、メッセージを送っても返信がないこともよくあります。
積極的にアプローチしても上手くいかなければ、自分の選択基準に影響がありそうなのは納得がいきます。
マッチングアプリで釣り合いを判断する3つのポイント
異性を好きになるときに、明確に好きになった点を挙げることは簡単ではありません。
好きになるのに理由はいらないなんて言ったりもしますが、まさしくその通りなのです。
では、釣り合い仮説が正しいとするなら、人は何を基準に釣り合いを判断するのでしょうか?
マッチングアプリを例に考えてみましょう。
まずは、もっとも釣り合う相手かどうかの判断に関係するのが見た目でしょう。
相手と見た目が釣り合わないと思えば、受け入れてもらえないと考えアプローチするのをやめてしまいます。
2つ目は、年齢です。年齢差がありすぎると、メッセージを送っても返信自体がない可能性が高いと判断してしまいます。
実際、マッチングアプリでは相手に希望する年齢を入力する欄があります。
自分の年齢が相手の条件にあわない場合はもちろん、希望する年齢が未記入の場合でも自ら候補から外してしまうことがあります。
3つ目が、収入です。
結婚するのでなければ、収入面はあまり関係ないような気もしますが、収入格差は価値観などの違いにもつながるのです。
※ハンナ・フライ「恋愛を数学する」 2017 朝日出版社