安定結婚問題|安定マッチングを導くゲール・シャプレイ・アルゴリズム

複数の男女がいる婚活パーティや合コンなどでは、大抵は男性から女性を口説くケースが多くなります。

好みの男性に対してだけ態度を変える女性、すべての男性に優しくする女性、良い人がいないと諦めムードの女性など人によって振る舞いは違います。

同じように男性の行動も様々なのですが、ある条件下で考えると積極的にアクションを起こした方が最良の相手とマッチングしやすいことがわかっています。

これは、数学者のデイヴィッド・ゲールと ロイド・シャプレイによって「安定結婚問題」という名前で提示されたものです。

安定結婚問題とは?

男女の同人数での婚活パーティを考えてみましょう。
結婚するかどうか別として、誰ともマッチングせずに婚活パーティを終えるのを避けたいと考えているとします。

そのための前提条件として、次の4つを設定します。

  • 婚活パーティでは男性から女性にアプローチをする
  • 男性は優先順位の高い女性からアプローチをする
  • 女性はアプローチされた人が1人なら必ず付き合う
  • 男女が同人数のため最終的には全員がカップルとなってパーティを終える

安定結婚問題を考えるための3つの要素

安定結婚問題を考えるための登場人物はまずは男性のグループと女性のグループです。


男性と女性は同じ人数として、今回は男女3人ずつのグループとします。
【男性グループ】
Aさん
Bさん
Cさん

【女性グループ】
Dさん
Eさん
Fさん

男性と女性は好みの異性の優先順位リストを作る

男性も女性も、好みの異性の優先順位リストを作成します。
男性から女性にアプローチする場合には、そのリストにしたがってアプローチをしていきます。

女性も男性に対する優先順位リストを持っているので、複数人の男性から同時にアプローチを受けた場合にはより順位が高い人の申し出を受けることになります。

ふられた男性は、次の優先順位の女性、すでにその女性がカップル成立している場合にはその次へと進んでいきます。

【男性の優先順位リスト】

第一候補 第二候補 第三候補
Aさん Dさん Eさん Fさん
Bさん Dさん Fさん Eさん
Cさん Fさん Dさん  Eさん

【女性の優先順位リスト】

第一候補 第二候補 第三候補
Dさん Cさん Aさん Bさん
Eさん Aさん Cさん Bさん
Fさん Aさん Bさん  Cさん

マッチング結果は男性にとっては最良の結果に

【カップルの成立結果】
A-D:1-2
B-E:2-3
C-F:1-3
※男性ー女性:男性の優先順位ー女性の優先順位

男性から優先順位の高い女性に順々にアプローチしていった結果をみると、男性にとっては非常に良い結果が得られていることがわかります。

同じ女性を好きになった以上、すべての男性が一番好きな女性と付き合えるわけではありませんが、それでも選択できる可能性の中でより良い結果を得ているのです。

この手順をゲール・シャプレイ・アルゴリズムと良い、安定マッチングの状態が得られています。

安定マッチングとはどんな状態?

ここでの安定マッチングとは、最終的なカップルの結果よりも良い状態が得られないような状態を言います。

つまり、今のお相手よりも良い相手に乗り換えようと思っても、そのお相手があなたの申し出を受け入れることはないということです。

お相手は、あなたよりも優先順位が高い相手とマッチングしているため、今の状態を壊して行動をとることにメリットがないのです。

安定結婚問題では積極的にアプローチした方が得

今回の結果は男性にとっては良い結果であったものの、女性からするとあまり良い結果ではありません。

常に女性が損をするかというとそうではなく、ゲール・シャプレイ・アルゴリズムでは行動を起こした方が良い結果を得るのです。

例えば、同じ手順でアプローチをするのを男性グループから女性グループに変えるだけで、女性にとってより良い結果が得られます。

婚活・恋活では自分から動く方がうまくいく?

実際にはすべての男女がカップルになって終わる婚活パーティはほとんどありません。

マッチングするのは一部で、多くの人はパートナーを見つけられずにパーティを終えます。
また、男性からアプローチされても断って、より良い男性が現れるのを待つということも多いでしょう。

ですが、安定結婚問題とゲール・シャプレイ・アルゴリズムから婚活・恋活では受け身でいるよりも、自分から動いた方が理想の相手とマッチングしやすいというのは妥当な結論と考えられます。

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